ロードバイクで使用しているパワーメーター、Garmin Rally RS200の右ペダルが正常に動作しなくなりました。
電池を新品に交換しても、Garminのサイクルコンピューターには「バッテリー0」と表示され、校正もできません。
今回は、電池交換、左右の電池ボックスの入れ替え、さらにGarminのメンテナンス手順で分解できるところまで確認してみました。
最終的には右ペダル内部の故障と判断しましたが、Rally RS200は左右独立型のパワーメーターなので、左ペダルについては現在も使用できています。
今回は、その確認作業を写真とともに記録しておきます。
Garmin Rallyとは
Garmin Rallyは、ペダルにパワーメーターを内蔵した自転車用ペダルです。
ペダルを踏んでいる力を計測し、
・現在どれくらいのパワーで走っているか
・左右のパワーバランス
・ケイデンス
・ペダリングに関する各種データ
などをGarmin Edgeなどのサイクルコンピューターへ送信します。
私はここ10年以上、サイクルコンピューターにGarminを使ってきたこともあり、パワーメーターもGarmin Rallyを選びました。
現在使っているのは、シマノSPD-SLタイプのクリートに対応したRally RS200です。

写真:Garmin Rally RS200の右ペダル
私はレースに出場するわけではありません。
それでもパワーメーターには以前から興味があり、Rallyを使う前には4iiiiのパワーメーターも使用していました。
年齢を重ねると、
「以前より体力が落ちた気がする」
という感覚はあります。
しかし、パワーメーターがあれば、
「実際にどれくらい力が落ちたのか」
「トレーニングによってどれくらい戻ったのか」
を数字で確認できます。
昔のサイクルコンピューターで分かったのは、ほぼ速度だけでした。
その後、ケイデンスが測れるようになり、心拍数もリアルタイムで確認できるようになりました。
そして現在では、ペダルを踏んでいるパワーまでリアルタイムで確認できます。
長く自転車に乗ってきた者としては、大きな進歩だと感じます。
右ペダルのバッテリー残量が突然「0」に
異常に気付いたのは、Garmin EdgeでRallyの状態を確認したときでした。
右ペダルのバッテリー残量が「0」と表示されています。

写真:右ペダルのバッテリーが「0」と表示されている
もちろん、最初に疑ったのは電池です。
Rallyで使用している電池は一般的な単3・単4電池ではなく、国内の量販店ではあまり見かけないタイプです。
私はAmazonなどで購入しています。
まず電池の電圧を確認しました。
特に問題はなさそうでしたが、念のため新品へ交換しました。
しかし結果は変わりません。
右ペダルのバッテリー残量は「0」のままです。
さらに校正を行ってみました。

写真:校正を実行しても「校正失敗・エラー1024」と表示された
こちらも失敗しました。
単純な電池切れではなさそうです。
左右の電池ボックスを交換して原因を切り分ける
次に疑ったのが、電池ボックスです。
Rallyはペダル軸の端に電池ケースが取り付けられており、そこから内部へ電源が供給されています。
そこで正常に動いている左ペダルの電池ボックスと、右ペダルの電池ボックスを交換してみました。
ところが症状は変わりませんでした。
つまり、少なくとも電池そのものや電池ボックスだけが原因とは考えにくくなります。
問題はペダル内部にある可能性が高くなりました。
Rally RS200を分解して内部を確認する
ここからペダルを分解して確認します。
ただし、何でも分解すればよいというものではありません。
今回行ったのは、基本的にGarminがペダル軸のメンテナンスやグリスアップで案内している範囲までです。
電子回路そのものを分解することはしていません。
作業する場合は、メーカー保証や破損の可能性もあるため、各自でGarminのマニュアルを確認することをおすすめします。
まず電池ボックスを取り外します。

写真:Rally右ペダルから電池ボックスを取り外した状態
電池ボックスを外すと、内部の構造が見えてきます。
非常に小さなネジを2本外す
内部を見ると、小さなプラスネジが2本あります。

写真:内部にある2本のプラスネジ
かなり小さなネジです。
紛失すると作業を続けられなくなるため、小さなトレイや磁石付きのパーツケースなどを用意しておいた方が安全でしょう。
老眼の私には、ここから厳しい作業になります。
このネジを外すと、内部のカバーと電極基板を取り外せます。

写真:取り外した内部部品。非常に小さなパーツで構成されている
写真で見るとそれなりの大きさに見えますが、実物はかなり小さい部品です。
特にネジなどは、床に落としてしまうと探すのが大変です。
シャフト側には2本の小さな電極がある
黒いカバーを取り外すと、シャフト側に小さな電極が見えます。

写真:シャフト中央付近に見える2本の電極
中央部分には非常に小さな電極が2本あります。
ペダルはシャフトを中心に回転しています。
一方、電池から内部の電子回路へは電力を供給し続ける必要があります。
そのため、この部分では回転する構造の中で電気的な接続を維持する仕組みになっています。
一方、先ほど取り外した基板の裏側を見ると、電極が接触する部分が同心円状になっています。

写真:電極ピンと接触する基板裏側の同心円状の接点
構造を見ると、なぜこのような形になっているのか理解できます。
ペダルがどの位置まで回転しても、シャフト側の電極が基板側の接点に触れ続ける必要があるためです。
ただ、非常に小さな接点なので、汚れや接触不良などが発生すれば電源供給に問題が出る可能性もありそうです。
今回も、まずこの部分を疑いました。
12mmのナットを外してシャフトを抜く
さらに内部を確認するため、ペダル本体とシャフトを固定しているナットを外します。
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写真:黒いカバーを外し、12mmレンチで固定ナットを外す
ここでは12mmのレンチを使用しました。
注意したいのが、右ペダル側は逆ネジになっている部分があることです。
通常のネジと同じ感覚で力を加えると、締め込んでしまったり部品を傷めたりする可能性があります。
作業前にGarminの整備手順を確認しておいた方が安全です。
ナットを取り外すと、ようやくシャフトをペダル本体から抜くことができました。

写真:ペダル本体から取り外したシャフト
パワーメーター部分は完全に密閉されていた
シャフトを取り外して確認してみましたが、ここで構造上の限界に突き当たりました。
パワーメーターの電子回路やセンサーが入っているシャフト部分は、外から簡単に分解できる構造にはなっていません。
密閉されたユニットになっています。
これは当然とも言えます。
ペダルは雨、水しぶき、汗、泥などにさらされます。
しかも、ライダーの体重を受けながら高速で回転する部品です。
内部のセンサーや電子回路を保護するためにも、高い防水性と密閉性が必要なのでしょう。
今回の作業では、ここから先へ分解することはできませんでした。
電極へ直接給電してみたが反応なし
念のため、電池から小さな電極部分へ直接電源を供給できないか確認してみました。
しかしLEDは点灯せず、右ペダルから反応はありませんでした。
電池は正常。
電池ボックスを左右交換しても症状は同じ。
接点部分を確認しても復旧しない。
そして直接給電を試しても反応しない。
ここまで確認した結果、今回は右ペダル内部の電子回路、あるいは電源系統のどこかに故障が発生している可能性が高いと判断しました。
それ以上は手を出さず、元通りに組み立てました。
Garminに修理を依頼すると46,750円
Garminのサイトで確認したところ、記事執筆時点でRally RS200の修理費用は46,750円となっていました。
Garminの場合、故障した製品そのものを修理するというより、代替品との交換対応になる場合があります。
その意味では、新しい製品に近い状態になる可能性があります。
ただ、問題は費用です。
Rally RS200を購入した当時はまだ現役で働いていたので、高価だと思いながら購入しました。
現在は使用状況も大きく変わっています。
今年、実際に屋外を走ったのは4月の約130km程度。
それ以外は屋内でバーチャルサイクリングをしていることが多く、室内ではTacx NEOがパワーを計測してくれます。
その状況を考えると、右ペダルを復旧させるためだけに約4万7千円をかける必要性は、今のところ感じていません。
左ペダルだけならRally RS100相当として使える
幸いだったのは、故障したのが右ペダルだったことです。
Rally RS200では左側が中心となって通信を行い、左右のペダルを組み合わせて使用します。
現在は左右ペダルとして正常にペアリングできませんが、左側のパワー計測自体は動いています。
片側計測タイプのRally RS100では、左ペダルで計測したパワーを基に総出力を推定します。
そのため現在の状態は、
「RS200から左右独立計測機能がなくなり、実質的にRS100に近い状態になった」
と考えれば、当面は使うことができます。
もちろん左右それぞれのパワー値や、左右差を利用したサイクリングダイナミクスの一部は確認できなくなります。
ただ、走行中のパワーそのものがまったく分からなくなったわけではありません。
私の使い方なら、当面これでも十分かもしれません。
左ペダルが壊れなかっただけ良かった
今回改めてRallyの内部を見て感じたのは、非常に小さな部品の中にかなり複雑な仕組みが入っていることでした。
ペダルという過酷な場所で、
・ペダルを踏む力を測定する
・回転数を計測する
・左右ペダル間で通信する
・Garmin Edgeへデータを送信する
・電池で長時間動作する
・雨や汗にも耐える
ということを行っています。
そう考えれば、Rallyがかなり精密な電子機器であることが分かります。
今回は右ペダルが故障しました。
しかし、逆に考えれば右側だったのは幸いでした。
もし親機側となる左ペダルが故障していれば、パワー値そのものを取得できなくなっていた可能性があります。
左右独立計測はできなくなりましたが、今のところ左側だけでパワー計として使うことはできます。
しばらくはこの状態で使用してみようと思います。
もう一度、接点周辺を点検してみる予定
今回は一度分解し、電池、電池ボックス、電極、シャフト周辺まで確認しましたが、原因を特定するところまではできませんでした。
ただ、内部構造を見ることができたことで、電源がどのようにシャフト内部へ供給されているのかはかなり理解できました。
今度時間のあるときにもう一度分解し、
・電極部分の汚れ
・接点の位置
・接触圧
・基板側の接点
・電池ボックスから電極までの導通
などを改めて確認してみるつもりです。
もし接触不良程度であれば、復活する可能性も完全には否定できません。
それでも直らなければ、右ペダルについてはそのまま休眠してもらうことになりそうです。
Rally RS200からRS100相当になった、と考えれば、今の私の自転車の乗り方ではまだ十分使えます。
長年使ってきた機器なので、完全に使えなくなるまでは、このまま付き合っていこうと思っています。



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